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STEP 4 ・ 約15

電線の許容電流と電圧降下

📊 この単元のリターン: 本試験50問中 約4問がここから出る。
覚えること3つ — ①許容電流の代表値(1.6mm = 27A、2.0mm = 35A、2.6mm = 48A) ②管に入れたら電流減少係数を掛ける(3本以下0.70、4本0.63) ③電圧降下(単相2線式) = 2 × 電流I(A) × 電線1本の抵抗r(Ω)

この単元は「暗記」で取れる

細い電線に大きな電流を流すと、電線が発熱して被覆が溶け、火災のもとになります。 だから「この太さの電線には何Aまで」という上限が決められていて、延長コードやドラムリールに「合計1500Wまで」と書いてあるのも同じ理由です。

この電線の太さと電流の問題は、計算というより数字の暗記で取れるサービス問題です。 覚える数字は10個未満。表をそのまま頭に入れれば、毎回1〜3問を確実に拾えます。

電線の許容電流 ── まずこの表

電線には「安全に流せる電流の上限(許容電流)」があります。代表値はこれだけ覚えれば十分です。

電線の太さ(単線の直径)許容電流
1.6mm27A
2.0mm35A
2.6mm48A
より線(断面積)許容電流
5.5m㎡49A
8m㎡61A
💡 覚え方: 「いろふな(1.6 → 27)、にいさんごー(2.0 → 35)、にろくしわ(2.6 → 48)」。 より線は「ごーごーよんきゅう(5.5 → 49)、はちろくいち(8 → 61)」。声に出して10回唱えれば入ります。

電流減少係数 ── 管に入れると熱がこもる

電線を電線管(パイプ)に複数本まとめて入れると、熱が逃げにくくなるので許容電流を減らして考えます。 このときに掛けるのが電流減少係数です。

同一管内の電線数電流減少係数
3本以下0.70
4本0.63
5〜6本0.56

計算は掛け算1回だけ。例:2.0mmのIV電線3本を同じ管に入れたときの1本あたりの許容電流は、 35 × 0.70 = 24.5 → 約24A(端数は「7捨8入」:小数点以下が0.8以上なら切り上げ、0.7以下なら切り捨て)。

もう1例:1.6mmを4本なら 27 × 0.63 = 17.01 → 17A。過去問はこの2パターンの組合せ違いがほとんどです。

💡 覚え方: 「3本までナオ(0.70)、4本ロミ(0.63)」。 係数は本数が増えるほど小さくなる(熱がこもるから)、と理屈で押さえると忘れません。

幹線の太さの決め方(ざっくりでOK)

幹線(分電盤までの太い電線)の許容電流は、つなぐ機器の定格電流の合計以上にするのが基本です。 ただし電動機(モーター)は始動時に大きな電流が流れるため、条件によっては割り増しします。 割り増しするのは「電動機の定格電流の合計が、他の負荷(電熱器など)の定格電流の合計より大きい場合」だけです。

  • 電動機がない、または電動機の定格電流合計が他の負荷の合計以下 → 幹線の許容電流 ≧ 定格電流の単純合計でよい
  • 電動機の定格電流合計が他の負荷の合計より大きく、その合計が50A以下 → 電動機分を 1.25倍 してから他の負荷を足す
  • 電動機の定格電流合計が他の負荷の合計より大きく、その合計が50Aを超える → 電動機分を 1.1倍 してから他の負荷を足す

例:電動機の定格電流合計20A、電熱器10Aなら、電動機(20A)の方が大きいので 20 × 1.25 + 10 = 35A以上。 逆に電動機10A・電熱器20Aなら、電動機の方が小さいので割り増し不要、10 + 20 = 30A以上でよい、となります。

💡 覚え方: 割り増しは「モーターが主役のときだけ」。電動機合計の方が大きければ「50A以下は1.25倍、50A超は1.1倍」。大きい電動機ほど始動電流の影響の割合が小さくなるので、係数も小さくなる、と理屈で押さえましょう。

分岐回路 ── 遮断器・電線・コンセントの組合せ

分岐回路では「過電流遮断器の定格」「電線の太さ」「コンセントの定格」の組合せが決まっています。 正しい組合せを選ぶ問題がほぼ毎回1問出ます。

分岐回路(配線用遮断器)電線の太さコンセントの定格
15A1.6mm以上15A以下
20A1.6mm以上20A以下
30A2.6mm(5.5m㎡)以上20A以上30A以下
40A8m㎡以上30A以上40A以下
50A14m㎡以上40A以上50A以下

注意点は2つ。20A分岐(配線用遮断器)には15Aコンセントを付けてもよい(20A以下だから)。 一方、30A分岐に15Aコンセントは不可(20A以上が必要)。 また、ヒューズを使う20A分岐の場合だけは扱いが別で、電線は2.0mm以上、コンセントは20Aのもの(15Aは不可)という組合せになります。 「配線用遮断器の20Aなら電線1.6mm以上・コンセント20A以下、ヒューズの20Aなら電線2.0mm以上・コンセント20A」── この違いがひっかけとして時々問われます。

おまけの頻出知識:幹線から分岐するとき、分岐回路の過電流遮断器は原則分岐点から3m以内に施設します (電線の許容電流が幹線の遮断器定格の35%以上なら8m以内、55%以上なら距離の制限なし)。

💡 覚え方: コンセントの定格は「遮断器と同じか、ひとつ下(10A差)まで」。 電線は30Aから急に太くなる「1.6 → 1.6 → 2.6 → 8 → 14」とリズムで暗記。

電圧降下 ── 電線も小さな抵抗

電線にも わずかな抵抗があるため、電気が流れると電線の中で電圧が少し失われます。これが電圧降下です。 単相2線式では電線が「行き」と「帰り」の2本あるので、

電圧降下 = 2 × I × r(2 × 電流 × 電線1本分の抵抗)

電源電線 r〔Ω〕電線 r〔Ω〕負荷I〔A〕

負荷にかかる電圧 = 電源電圧 − 電圧降下、で求めます。

例題 ── 電圧降下の定番

問題:単相2線式100Vの回路で、抵抗負荷に10Aの電流が流れている。電線1本あたりの抵抗が0.1Ωのとき、負荷にかかる電圧は何Vか。

とき方:

  1. 電圧降下を計算:2 × I × r = 2 × 10 × 0.1 = 2V(「2 ×」を忘れない!電線は2本)
  2. 電源電圧から引く:100 − 2 = 98V ── これが答え。

落とし穴は「2倍」のし忘れだけ。選択肢には必ず「99V(2倍し忘れ)」が並んでいます。ひっかからないように。

過電流遮断器の動作特性 ── 「何倍で何分以内」

過電流遮断器(配線用遮断器・ヒューズ)には「どのくらいの過電流で、どのくらいの時間内に動作するか」という基準が決められています。 数値の穴埋め問題として出るので、表ごと覚えましょう。

種類動作してはいけない電流動作しなければならない条件(定格30A以下の場合)
配線用遮断器定格電流の 1倍 では動作しないこと定格電流の 1.25倍で60分以内2倍で2分以内 に動作すること
ヒューズ定格電流の 1.1倍 では溶断しないこと定格を超える電流で、定められた時間内に溶断すること

もうひとつ、幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の決め方もセットで出ます。電動機がある場合は、

  • 定格電流 ≦ 電動機の定格電流の合計 × 3 + 他の負荷の定格電流の合計
  • ただし、その値が幹線の許容電流の2.5倍を超えるときは、幹線の許容電流の2.5倍以下とする(小さい方を採用)

例:電動機の定格電流合計20A、電熱器10A、幹線の許容電流35Aなら、20 × 3 + 10 = 70A と 35 × 2.5 = 87.5A を比べて、小さい方の 70A以下 になります。

💡 覚え方: 配線用遮断器は「1倍で切れず、1.25倍で60分、2倍で2分」。ヒューズは「1.1倍で溶けない」。 幹線保護は「モーター3倍プラス他、ただし幹線の2.5倍まで」とフレーズで暗記しましょう。

頻出ポイントまとめ

  • 許容電流:1.6mm = 27A、2.0mm = 35A、2.6mm = 48A、より線5.5m㎡ = 49A、8m㎡ = 61A
  • 電流減少係数:同一管内3本以下 = 0.70、4本 = 0.63(掛け算1回、端数は7捨8入)
  • 幹線:電動機合計が他負荷より大きいときだけ電動機分を1.25倍(50A超なら1.1倍)。他負荷以下なら単純合計
  • 分岐回路:配線用遮断器20A = 20A以下コンセント・1.6mm以上、ヒューズ20A = 20Aコンセント・2.0mm以上、30A分岐 = 20〜30Aコンセント・2.6mm以上
  • 配線用遮断器(30A以下)は定格の1倍で動作せず、1.25倍で60分以内・2倍で2分以内。ヒューズは1.1倍で溶断しない
  • 幹線保護の過電流遮断器:電動機定格合計 × 3 + 他負荷、かつ幹線許容電流の 2.5倍以下
  • 電圧降下(単相2線式)= 2 × I × r。「2倍」を忘れない

🎯 試験に出るパターン

実際の過去問はこういう形で出ます。タップで答えを確認:

Q. 金属管に直径2.0mmのIV電線4本を収めたとき、電線1本当たりの許容電流〔A〕は。(電流減少係数0.63)

A. 表の値 × 減少係数の掛け算1回だけ。2.0mm = 35A なので、35 × 0.63 ≒ 22A。 「1.6 = 27、2.0 = 35、5.5m㎡ = 49」を覚えていれば即答できます。

Q. 単相2線式100Vの回路で負荷電流10A、電線1本の抵抗0.1Ωのとき、負荷にかかる電圧〔V〕は。

A. 電圧降下 = 2 × 電流(A) × 電線1本の抵抗(Ω) = 2 × 10 × 0.1 = 2V。100 − 2 = 98V。 「2倍」を忘れた99Vが選択肢に必ず混ざっています。

Q. 配線用遮断器・電線の太さ・コンセントの組合せとして、適切なものは。(毎回ほぼ1問出ます)

A. 「コンセントは遮断器と同じか1ランク下まで」「30A分岐から電線は2.6mm以上」で選択肢を消去。 たとえば20A遮断器 + 1.6mm + 15Aコンセントは適切、30A遮断器 + 1.6mm は電線が細すぎて不適切です。