⚡ 第二種電気工事士 ゼロから合格

STEP 4 ・ 約15

オームの法則と合成抵抗(ここだけは取る)

📊 この単元のリターン: 本試験50問中 約3問がここから出る。
覚えること3つ — ①電流I(A) = 電圧V(V) ÷ 抵抗R(Ω)(オームの法則) ②直列は足す、並列2本は「積÷和」 ③電線の抵抗は長さに比例、直径の2乗に反比例

計算問題、全部捨てなくていい

筆記試験の計算問題は毎回10問前後出ます。「数学が苦手だから計算は全部捨てる」という作戦でも合格は可能ですが、 実は計算問題の中にも「中学レベルの掛け算・割り算だけで解ける、毎回出る定番パターン」があります。 それがこの単元のオームの法則と合成抵抗です。難しい問題は捨てて構いません。でも、ここだけは取りましょう。

オームの法則 ── たった1つの式

電気回路の基本ルールはこれだけです。

V = I × R(電圧 = 電流 × 抵抗)

形を変えると次の2つにもなります。求めたいものに合わせて使い分けます。

  • I = V ÷ R(電流 = 電圧 ÷ 抵抗)
  • R = V ÷ I(抵抗 = 電圧 ÷ 電流)
電源V〔V〕R〔Ω〕電流 I〔A〕

例:100Vの電源に20Ωの抵抗をつなぐと、流れる電流は I = 100 ÷ 20 = 5A。これだけです。

💡 覚え方: ピラミッドの図をイメージ。上に V、下に I と R を並べて書き、 求めたい文字を指で隠すと残った形が式になります(V を隠す → I × R、I を隠す → V ÷ R)。

合成抵抗 ── 直列は「足す」、並列は「積÷和」

抵抗が2個以上あるときは、まず「1個の抵抗にまとめる」のが計算の第一歩です。

直列(一本道)= 足し算

直列につながった抵抗は、そのまま足すだけ。10Ωと20Ωの直列なら 10 + 20 = 30Ω

R₁R₂

並列(分かれ道)2本 = 積 ÷ 和

並列2本の合成抵抗は「掛けたものを、足したもので割る」。これが「積÷和」です。

例:20Ωと30Ωの並列 → (20 × 30) ÷ (20 + 30) = 600 ÷ 50 = 12Ω

R₁R₂

ラクできる特例:同じ値の抵抗2本を並列にすると、合成抵抗は半分。 10Ωと10Ωの並列なら計算しなくても 5Ω です。

💡 覚え方: 「直列はたす、並列2本はせきわ(積÷和)」。 並列の合成抵抗は必ず元のどの抵抗よりも小さくなるので、計算後に「元より大きい値」が出たら間違いです。

毎回出るひっかけ ── 抵抗に並列の「ただの導線」

過去問で繰り返し出るのがこの形。抵抗に並列に、抵抗のないただの導線(電線)がつながっている回路です。

Rただの導線(0Ω)

電流は「通りやすい道」に流れます。導線は抵抗ほぼゼロなので、電流は全部導線側に流れ、抵抗Rには流れません。 つまり この抵抗Rは「無いもの」として消してよいのです。 複雑そうに見える回路も、導線で短絡された抵抗を消すと一気に簡単になります。これが出題者の仕掛けです。

電力・電力量・発熱量

  • 電力:P = V × I〔W〕(電圧 × 電流)。V = I × R を代入した P = I² × R もよく使います。
  • 電力量:W = P × t(電力 × 時間)。単位はワット時〔Wh〕やキロワット時〔kWh〕。
  • 発熱量:電熱器などで発生する熱量はジュール〔J〕で表し、1Wh = 3600J、つまり 1kWh = 3600kJ

例:500Wの電熱器を2時間使うと、電力量は 500 × 2 = 1000Wh = 1kWh。発熱量にすると 3600kJ です。

💡 覚え方: 1時間は3600秒。「1Wを1秒で1J」だから、1Whは「3600秒ぶん」で3600J。 ゼロを増やして 1kWh = 3600kJ。「3600」という数字だけ覚えれば足ります

例題 ── この形が毎回出る

問題:100Vの電源に、10Ωの抵抗と、「20Ωと20Ωの並列」部分が直列につながっている。回路全体に流れる電流は何Aか。

とき方(3ステップで機械的に):

  1. 並列部分を1個にまとめる:同じ20Ωが2本並列 → 半分の 10Ω。(積÷和でも (20 × 20) ÷ (20 + 20) = 400 ÷ 40 = 10Ω)
  2. 直列を足す:10 + 10 = 20Ω(回路全体の合成抵抗)
  3. オームの法則:I = V ÷ R = 100 ÷ 20 = 5A ── これが答え。

どんな問題でも手順は同じ。「並列をまとめる → 直列を足す → V = I × R」。この3ステップを体に入れましょう。

電線の抵抗と電力損失 ── 「長いと増える、太いと減る」

電線そのものにもわずかな抵抗があります。電線の抵抗 R は次の式で決まります。

R = ρ × L ÷ A(ρ:抵抗率、L:電線の長さ、A:断面積)

  • 抵抗は長さ L に比例する → 電線が2倍長いと抵抗も2倍
  • 抵抗は断面積 A に反比例する → 太いほど抵抗は小さい

ここで頻出のひっかけが「直径」です。断面積は直径の2乗に比例するので、直径を2倍にすると断面積は4倍、抵抗は1/4になります。「直径2倍 → 抵抗1/2」と答えさせる選択肢が定番のワナです。

また、電線に電流が流れると、電線の抵抗で電力が熱として失われます。これが電力損失です。 単相2線式では電線が2本あるので、

電力損失 = 2 × I² × r(2 × 電流の2乗 × 電線1本分の抵抗)

例題:単相2線式の回路で、負荷に10Aの電流が流れている。電線1本あたりの抵抗が0.1Ωのとき、電線での電力損失は何Wか。

とき方:2 × I² × r = 2 × 10 × 10 × 0.1 = 20W。電線は2本なので「2 ×」を忘れないこと。

💡 覚え方: 電線の抵抗は「長いと増える、太いと減る」。直径が出てきたら「2乗してから反比例」(直径2倍 → 1/4)。 電力損失は電圧降下(2 × I × r)の仲間で、I をもう1回掛けた 2 × I² × r、とセットで覚えましょう。

頻出ポイントまとめ

  • V = I × R(求めたいものを隠すピラミッド)
  • 直列は足し算、並列2本は「積÷和」、同じ値2本の並列は半分
  • 抵抗に並列の導線(短絡)→ その抵抗は無視して消す
  • P = V × I、W = P × t、1kWh = 3600kJ
  • 電線の抵抗は長さに比例・断面積に反比例。直径2倍なら抵抗1/4
  • 単相2線式の電力損失 = 2 × I² × r
  • 解く順番:並列をまとめる → 直列を足す → オームの法則

🎯 試験に出るパターン

実際の過去問はこういう形で出ます。タップで答えを確認:

Q. 図のような回路で、端子a−b間の合成抵抗〔Ω〕は。(ほぼ毎回1問目に出ます)

A. 手順は毎回同じ。スイッチや導線で短絡された抵抗を消す → 並列を「積÷和」で1個にまとめる → 直列を足す。 これだけで答えが出ます。

Q. 直径1.6mm・長さ8mの銅線と抵抗が等しくなる、長さ32mの銅線の直径〔mm〕は。

A. 抵抗は長さに比例、直径の2乗に反比例。長さが4倍になったぶんは断面積を4倍(=直径を2倍)にすれば打ち消せるので、 1.6 × 2 = 3.2mm

Q. 接触抵抗0.2Ωの接続点に10Aの電流が流れると、1時間に発生する熱量〔kJ〕は。

A. 発熱量(J) = 電流(A)の2乗 × 抵抗(Ω) × 時間(秒)。10² × 0.2 × 3600 = 72000J = 72kJ。 1時間を3600秒に直すのがポイントです。