STEP 3 ・ 約12分
検査・測定 — 竣工検査の流れと測定器
覚えること3つ — ①絶縁抵抗は「0.1・0.2・0.4MΩ」(境目は150Vと300V) ②検査は目視が最初・通電が最後 ③接地抵抗計はE-P-Cを約10m間隔で一直線
竣工検査とは
配線工事が終わったら、電気を送る前に「正しく安全に施工されているか」を確認します。これが竣工検査(しゅんこうけんさ)です。試験では検査の順序と測定器の使い方・基準値が問われます。
| 段階 | 検査項目 | 内容 |
|---|---|---|
| 最初 | 目視点検 | 配線・器具の取付けや接続を目で確認する |
| 通電前の測定 | 導通試験 | 回路計(テスタ)などで断線・誤結線がないか確認する |
| 絶縁抵抗測定 | 絶縁抵抗計(メガー)で電路の絶縁を確認する | |
| 接地抵抗測定 | 接地抵抗計(アーステスタ)で接地の良否を確認する | |
| 最後 | 通電試験(試送電) | 通電して電圧測定や負荷をかけた動作確認を行う |
確実に押さえるべきは次の2点です。「目視点検が最初」であること、そして「通電(試送電)は最後」で、各種の測定はすべて通電前に行うこと。なお、通電前の測定どうしの順序には流儀があり、導通試験 → 絶縁抵抗測定の順とする教材が多いです(導通を確認してから絶縁を測る)。試験では「通電してから測定する」「目視点検を最後に行う」といった選択肢が誤りになります。
絶縁抵抗値の基準(最重要の数値)
低圧電路の絶縁抵抗は、開閉器または過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、次の値以上でなければなりません。電圧の区分は「対地電圧(大地との間の電圧)」と「使用電圧」で決まります。
| 電路の使用電圧の区分 | 絶縁抵抗値 | 身近な例 |
|---|---|---|
| 300V以下で対地電圧150V以下 | 0.1MΩ以上 | 単相2線式100V、単相3線式100/200V |
| 300V以下で対地電圧150Vを超える場合 | 0.2MΩ以上 | 三相3線式200V |
| 300Vを超えるもの | 0.4MΩ以上 | 三相4線式400V級 |
ポイントは、単相3線式100/200Vの200V回路です。使用電圧は200Vですが、中性線が接地されているため対地電圧は100V。よって基準は 0.1MΩ以上 になります。ひっかけとして頻出です。
絶縁抵抗計(メガー)の使い方
- 絶縁抵抗計は直流電圧を加えて測定する(100V回路では定格測定電圧125Vまたは250Vのものを使用)
- 測定前に電池の確認と、接地端子(E)と線路端子(L)を短絡して指針が0を指すことの確認(ゼロチェック)を行う
- 測定は停電させて(開閉器を開いて)行う
- 電線相互間(線間)の測定: スイッチは「入」、負荷(電球や器具)は取り外すか、コンセントからプラグを抜く
- 電路と大地間の測定: スイッチは「入」、負荷は接続したままでよい(器具を含めた絶縁を確認する)
なお、絶縁抵抗の測定が困難な場合(停電できない場合など)は、クランプ形漏れ電流計で漏えい電流を測定し、1mA以下であれば絶縁性能が保たれているものと判断できます。この「1mA以下」も頻出の数値です。
接地抵抗計(アーステスタ)の使い方
接地抵抗は接地抵抗計で測定します。測定したい接地極(E)のほかに、補助接地極を2本使うのが特徴です。
- 端子は E(接地極)— P(電圧用補助接地極)— C(電流用補助接地極) の3つ
- E・P・C は E-P-C の順に、ほぼ一直線に配置する
- E-P 間、P-C 間はそれぞれ 約10m 離す
- 測定には交流電源(測定器内部で発生)を用いる(直流だと分極作用で誤差が出るため)
そのほかの測定器
| 測定器 | 用途 |
|---|---|
| 回路計(テスタ) | 電圧・抵抗の測定、導通試験 |
| クランプメータ | 電線をはさんで回路を切らずに電流を測定。漏れ電流の測定にも使う |
| 検電器 | 電路の充電の有無の確認 |
| 検相器 | 三相回路の相順(相回転)の確認 |
| 電力量計 | 使用電力量の計量 |
頻出ポイントまとめ
- 竣工検査の順序: 目視点検が最初、通電(試送電)が最後。測定はすべて通電前に行う(導通→絶縁の順とする教材が多い)
- 絶縁抵抗値: 対地電圧150V以下 0.1MΩ以上 / 150V超300V以下 0.2MΩ以上 / 300V超 0.4MΩ以上
- 単相3線式の200V回路は対地電圧100Vなので 0.1MΩ以上(ひっかけ注意)
- 絶縁抵抗計は直流で測定、接地抵抗計は交流で測定
- 接地抵抗計は補助接地極2本を E-P-C の順で約10m間隔・一直線に配置
- 絶縁抵抗測定が困難なときは漏れ電流 1mA以下 で絶縁性能ありと判断
- 検電器=充電の有無、検相器=相順、クランプメータ=回路を切らずに電流測定
🎯 試験に出るパターン
実際の過去問はこういう形で出ます。タップで答えを確認:
Q. 低圧屋内配線の電路と大地間の絶縁抵抗を測定した。「技術基準に適合していないもの」は?(例: 単相3線式100/200Vの200V回路で0.15MΩ)
A. 各回路の対地電圧で基準を判定します。単相3線式の200V回路は対地電圧100Vなので基準は0.1MΩ以上 → 0.15MΩは適合。三相200V(対地電圧200V)で0.18MΩなら0.2MΩ未満で不適合、という形で「使用電圧と対地電圧のすり替え」を見抜かせます。
Q. 絶縁抵抗測定が困難なので、使用電圧が加わった状態でクランプ形漏れ電流計で漏えい電流を測定した。絶縁性能が適合している回路は?
A. 漏えい電流が 1mA以下 の回路です。0.5mA→適合、1.5mAや3mA→不適合。この「1mA以下」の一点だけで解けます。
Q. 直読式接地抵抗計(アーステスタ)で測定する場合、補助接地極2箇所の配置として「適切なもの」は?
A. 接地極Eから E-P-C の順に約10m間隔で一直線に配置した図が正解です。三角形に配置した図や、間隔が極端に短い図は誤りです。