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STEP 3 ・ 約12

施工方法② 工事の種類と施工場所

📊 この単元のリターン: 本試験50問中 約4問がここから出る。施工方法は毎回まとめて出題される得点源です。
覚えること3つ — ①どこでも施工OKは「ケー・キン・ジュ」(ケーブル・金属管・合成樹脂管) ②支持点間隔はケーブル横2m・垂直6m、合成樹脂管1.5m ③住宅の対地電圧は原則150V以下(2kW以上の機器だけ条件付きで300Vまで)

配線工事にはいろいろな種類がある

家の壁の中や天井裏には、コンセントや照明につながる電線が縦横に走っています。電線をむき出しのまま這わせると、釘やネズミ、湿気でいつか事故になる — だから「どう保護して、どう固定するか」が工事方法として細かくルール化されています。

屋内配線の施工方法には、ケーブルをそのまま這わせるケーブル工事、金属の管に電線を通す金属管工事、プラスチックの管に通す合成樹脂管工事など多くの種類があります。試験では「この場所にこの工事をしてよいか」「支持点間隔は何mか」といった数値と場所の組み合わせが問われます。

ケーブル工事(VVFなど)— 最もよく使う工事

ケーブル工事は、外装(シース)で保護されたケーブルを造営材(柱や壁などの建物の部材)に固定していく工事です。ほぼすべての場所に施工できる万能選手です。

項目数値
造営材の側面・下面に沿って取り付ける場合の支持点間隔2m以下
接触防護措置を施した場所垂直に取り付ける場合6m以下
ケーブルの屈曲半径(曲げの内側半径)ケーブル外径(仕上がり外径)の 6倍以上
💡 覚え方: 支持点間隔は「横は2m、縦は6m」。横に這わせるとたわみやすいので短く、垂直なら重力方向に張られるので長くてOK、とイメージで覚えましょう。曲げは「ケーブルは無理(6×り)に曲げない」で6倍以上。

金属管工事・合成樹脂管工事

管の中に電線(絶縁電線)を通す工事です。共通の大原則として、管の中では電線を接続してはいけません(接続点はボックス内に設ける)。また、管に通す電線は IV線などの絶縁電線を使い、屋外用ビニル絶縁電線(OW線)は使用できません

項目金属管工事合成樹脂管工事(VE管など)
管内での電線接続禁止禁止
支持点間隔2m以下1.5m以下
管どうしの接続カップリング等差込み深さは管の外径の 1.2倍以上(接着剤を使う場合は 0.8倍以上)
接地300V以下は D種(乾燥した場所で管長 4m以下 なら省略可)。300V超は C種(接触防護措置を施せばD種でよい)不要(絶縁物のため)

施工場所と工事の種類(超頻出)

どの工事がどの場所に施工できるかは毎年のように出題されます。結論から言うと、ケーブル工事・金属管工事・合成樹脂管工事(CD管を除く)の3つは、湿気や水気のある場所を含めてどの場所でも施工できます

工事の種類乾燥した場所湿気・水気のある場所
ケーブル工事
金属管工事
合成樹脂管工事(CD管を除く)
金属線ぴ工事○(展開した場所・点検できる隠ぺい場所)×
金属ダクト工事○(展開した場所・点検できる隠ぺい場所)×
ライティングダクト工事○(展開した場所・点検できる隠ぺい場所)×
フロアダクト工事○(床内に限る)×

「○」の3工事(ケーブル・金属管・合成樹脂管)を覚えてしまえば、残りは「乾燥した場所専用」と整理できます。なお CD管(コンバインドダクト管)は、直接コンクリートに埋め込んで使うのが原則です。

💡 覚え方: どこでも施工できる3工事は「ケー・キン・ジュ(ケーブル・金属管・合成樹脂管)」とリズムで暗記。水回りの工事を選ぶ問題が出たら、この3つ以外は疑ってかかりましょう。

弱電流電線との離隔・メタルラス壁の貫通

電話線・インターホン線・LANケーブルなどの弱電流電線と低圧屋内配線が近づくと、誘導や混触の危険があるため、離して施工する必要があります。

  • がいし引き工事の場合: 弱電流電線・水道管・ガス管などとの離隔距離は 10cm以上(電線が裸電線の場合は 30cm以上)
  • ケーブル工事・金属管工事・合成樹脂管工事などの場合: 弱電流電線と接触しないように施設すればよい

また、メタルラス張り・ワイヤラス張りの木造の壁(モルタル壁の下地に金網が入っているもの)を金属管などが貫通する場合は、漏電による火災を防ぐため次の処理が必要です。

  • メタルラス・ワイヤラスを十分に切り開く
  • 金属管・金属可とう電線管などには、耐久性のある絶縁管(合成樹脂管など)をはめるか、耐久性のある絶縁テープを巻いて、金網と電気的に接続しないように絶縁する

対地電圧の制限 — 住宅は原則150V以下

住宅の屋内電路の対地電圧は、原則150V以下と定められています。単相2線式100Vや単相3線式100/200V(対地電圧はどちらも100V)はこの原則の範囲内です。

ただし例外があります。エアコンや電磁調理器など定格消費電力2kW以上の機器を、次のような条件で施設する場合は、対地電圧300V以下(単相200Vなど)まで認められます。

  • 機器とそれに電気を供給する屋内配線を専用の回路とする
  • 機器を屋内配線と直接接続する(コンセントを介さない)
  • 屋内配線には簡易接触防護措置を施す
  • 電路には漏電遮断器を施設する
💡 覚え方: 「住宅は150Vまで、2kW以上の大物だけ専用・直結で300Vまで」。「2kW以上の機器をコンセントで接続した」という選択肢は誤り(直接接続が条件)としてよく出ます。

特殊場所の工事 — 爆発・火災の危険がある場所

粉じんや可燃性ガスなどがある場所では、火花による爆発・火災を防ぐため、施工できる工事の種類がさらに厳しく制限されます。

場所施工できる工事
爆燃性粉じん(マグネシウム・アルミニウムの粉など)のある場所、可燃性ガス(プロパンガスなど)のある場所金属管工事ケーブル工事(キャブタイヤケーブルを除く)
危険物(石油・セルロイドなど)を貯蔵する場所金属管工事、ケーブル工事(キャブタイヤケーブルを除く)に加え、合成樹脂管工事(厚さ2mm以上の管。CD管を除く)も可
💡 覚え方: 最も危ない「爆燃性粉じん・可燃性ガス」は「キン(金属管)とケー(ケーブル)だけ」。一段ゆるい「危険物の貯蔵」なら合成樹脂管もOK。どの場所でもキャブタイヤケーブルは不可、と覚えましょう。

引込線・コードの規定

電柱から建物へ引き込む架空引込線(低圧)は、人や車に触れないよう取付け高さが決められています。

  • 道路(車道)を横断する場合: 路面上5m以上
  • 横断歩道橋の上: 路面上3m以上
  • その他の場所: 地表上4m以上(技術上やむを得ず、交通に支障がない場合は 2.5m以上)

また、屋内の引込口開閉器は引込口に近い箇所に施設するのが原則ですが、母屋の分電盤から倉庫・車庫など別棟へ配線する場合、屋外配線の長さが15m以下であれば別棟側の引込口開閉器を省略できます。

コード(ビニルコードなど)は、電気スタンドのような移動して使う機器への接続用です。造営材に固定して屋内配線として使用してはなりません(ショウウィンドウ・ショウケース内の配線など、限られた例外があります)。

頻出ポイントまとめ

  • ケーブル支持点間隔: 造営材の側面・下面は 2m以下、接触防護措置を施した場所の垂直取付けは 6m以下
  • ケーブルの曲げ半径は外径の 6倍以上
  • 金属管・合成樹脂管とも管内で電線を接続してはならない
  • 合成樹脂管の支持点間隔は 1.5m以下、差込み接続は外径の 1.2倍以上(接着剤使用時 0.8倍以上)
  • 金属管の接地: 300V以下は D種(乾燥した場所で管長4m以下なら省略可)、300V超は C種(接触防護措置でD種可)
  • 湿気・水気のある場所OK: ケーブル工事・金属管工事・合成樹脂管工事(CD管除く)
  • 住宅の屋内電路の対地電圧は原則 150V以下2kW以上の機器は専用回路・直接接続などの条件で 300V以下 まで可
  • 爆燃性粉じん・可燃性ガスのある場所は金属管工事かケーブル工事(キャブタイヤ除く)。危険物の貯蔵場所は合成樹脂管工事も可
  • 架空引込線の高さ: 道路横断 5m以上、やむを得ない場合のその他の場所 2.5m以上
  • 屋外配線が 15m以下 なら別棟の引込口開閉器を省略できる。コードは造営材に固定して配線に使えない
  • がいし引き工事と弱電流電線の離隔は 10cm以上、ケーブル工事などは接触しなければよい
  • メタルラス壁の貫通: 金網を切り開き、絶縁管をはめて金網から絶縁する

🎯 試験に出るパターン

実際の過去問はこういう形で出ます。タップで答えを確認:

Q. ケーブル工事の支持点間の距離 — 造営材の下面・側面に沿って取り付ける場合は(A)m以下、接触防護措置を施した場所で垂直に取り付ける場合は(B)m以下。組合せは?

A. (A)=2m、(B)=6mです。「横は2m、縦は6m」。空欄補充の形でそのまま数値を問われます。

Q. 使用電圧100Vの屋内配線で、施設場所と工事の種類の組合せとして「不適切なもの」は?

A. 「湿気・水気のある場所に金属線ぴ工事(またはライティングダクト工事など)」が誤りです。水回りOKはケーブル・金属管・合成樹脂管(CD管除く)の3つだけ。それ以外が水回りに出てきたら疑いましょう。

Q. 住宅に三相200V・定格消費電力2.5kWのルームエアコンを施設する工事方法として「適切なもの」は?

A. 専用回路にして屋内配線と直接接続し、漏電遮断器を施設する方法です。2kW以上なら対地電圧300V以下まで認められますが、「コンセントを介して接続した」という選択肢は誤り(直接接続が条件)です。