STEP 2 ・ 約12分
材料の鑑別 — 電線管・ボックス・ダクト
覚えること3つ — ①ケーブルは断面と表示で区別(VVF=平形・VVR=丸形・EM表示=エコケーブル) ②オレンジ色の蛇腹管=CD管はコンクリート埋設専用 ③カップリングとボックスは「何用か」をセットで覚える
ケーブル・電線の鑑別 — 断面と表面の文字で見分ける
家の壁や天井の裏には、コンセントや照明へ電気を届ける配線が縦横に走っています。 その主役が灰色の平たいVVFケーブルで、リフォーム現場や新築の建前ではむき出しの状態を見ることができます。 材料の鑑別で最初に押さえるのは電線・ケーブルです。実物では表面に記号が印字されていますが、 試験の写真では断面の形と構造が見分けの決め手になります。
| 名称(記号) | 見た目の特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| VVFケーブル | 平たい(フラットな)灰色のケーブル。中に絶縁電線が2〜3本並ぶ | 屋内配線の主役。600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形 |
| VVRケーブル | 断面が丸い。シースの内側に介在物(詰め物)が入る | VVFの丸形版。引込口配線などに使用 |
| CVケーブル | 丸形。架橋ポリエチレン絶縁で、VVRより許容温度が高い | 幹線など。600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル |
| EM-EEFケーブル | VVFに似た平形だが、表面に「EM」の表示。シースはポリエチレン | エコケーブル。燃やしても有害ガスが出にくい(環境配慮形) |
| IV電線 | 1本だけの絶縁電線(シースなし)。色は黒・白・赤・緑など | 電線管の中に入れて使う屋内配線用絶縁電線 |
電線管の鑑別 — 色と材質が決め手
電線管は「金属か樹脂か」「硬いか曲がるか」、そして色で見分けます。
| 名称 | 見た目の特徴 | 用途・ポイント |
|---|---|---|
| ねじなし電線管(E管) | 金属の硬い管。端にねじが切られていない | 金属管工事。接続はねじなしカップリングの止めねじで固定 |
| 薄鋼電線管(C管) | 金属の硬い管。端にねじを切って使う | 屋内の金属管工事 |
| 2種金属製可とう電線管(プリカチューブ) | 金属の蛇腹で自由に曲がる | 振動する機器への配管など |
| 硬質塩化ビニル電線管(VE管) | 樹脂製の硬い管。灰色 | 合成樹脂管工事。接続はTSカップリングと接着剤 |
| PF管 | 樹脂製の波付き(蛇腹)で曲がる管。色はベージュや白など | 自己消火性あり。露出・隠ぺい場所にも施設できる |
| CD管 | PF管と同じ蛇腹形だがオレンジ色 | 自己消火性なし。原則コンクリート埋設専用 |
ひっかけ注意(最頻出): PF管とCD管は形がそっくりです。オレンジ色ならCD管、そして CD管は燃えやすい(自己消火性がない)ためコンクリートに埋め込む場合にしか使えません。 「オレンジ色の合成樹脂製可とう電線管を露出配管してよいか」→ダメ、が定番の出題です。
管の付属品 — カップリングとコネクタ
| 名称 | 見た目の特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| ねじなしカップリング | 金属の筒に小さな止めねじが付く | ねじなし電線管どうしの接続 |
| TSカップリング | 樹脂製の単純な筒 | 硬質塩化ビニル電線管(VE管)どうしを接着剤で接続 |
| PF管用カップリング | 樹脂製の筒で、両端がワンタッチのロック構造 | PF管どうしの接続 |
| コンビネーションカップリング | 両端の形が左右で異なる筒 | 異なる種類の管どうし(例: PF管と金属管)の接続 |
| ねじなしボックスコネクタ | 止めねじ付きの短い金具。ロックナットでボックスに固定 | ねじなし電線管とボックスの接続 |
| 絶縁ブッシング | 管の端にかぶせる樹脂製の輪 | 管端で電線の被覆を傷つけないようにする |
| ゴムブッシング | 黒いゴム製の輪。中心に切り込み | 金属ボックスの穴(ノックアウト)に取り付けて電線を保護 |
ひっかけ注意: カップリングは「何用か」を問われます。金属管用は金属製で止めねじ付き、PF管用は樹脂製でワンタッチ式。 写真の材質(金属の光沢か、樹脂のマットな質感か)で判断しましょう。
ボックス類・線ぴ・ダクト
| 名称 | 見た目の特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| アウトレットボックス | 金属(または樹脂)製の箱。側面に打ち抜き穴(ノックアウト)が多数 | 金属管工事などでの電線の接続・器具の取り付け |
| スイッチボックス(埋込形) | 縦長の小さい箱。連用器具がちょうど収まるサイズ | 壁に埋め込み、スイッチ・コンセントを取り付ける |
| VVF用ジョイントボックス | 樹脂製の透明〜半透明のカバー付きの箱 | VVFケーブル相互の接続部を収める |
| プルボックス | 大きめの金属の箱(穴は現場であける) | 多数の金属管が集まる場所で電線の引き入れ・接続を容易にする |
| コンクリートボックス | アウトレットボックスに似るが、コンクリート埋設用の固定構造 | コンクリート天井・壁への埋め込み |
| 1種金属線ぴ(メタルモール) | 幅4cm未満の細い金属のカバー付きレール | 壁面などで露出配線をすっきり収める |
| 2種金属線ぴ(レースウェイ) | 幅4cm以上5cm以下の溝形の金属レール。天井から吊って使う | 工場などで照明器具の取り付けと配線を兼ねる |
| ライティングダクト | 溝の内側に導体(レール電極)が見える | 店舗照明など。ダクトのどこでも照明をつなげる |
| フロアダクト | 床に埋める扁平な金属ダクト | 事務所の床内配線(床のコンセント用) |
ひっかけ注意: アウトレットボックスとプルボックスは「箱」つながりで混同しがちです。打ち抜き穴があらかじめ多数あるのがアウトレットボックス、大きくて穴のない(現場であける)のがプルボックスと覚えましょう。
📷 実物写真で確認
主な材料の実物です。表面の表示と断面に注目:




頻出ポイントまとめ
- VVF=平形、VVR=丸形(介在物入り)、IV=シースのない単独の絶縁電線。
- EM-EEFは「EM」表示のあるエコケーブル。シースはポリエチレン。
- オレンジ色の蛇腹管=CD管=コンクリート埋設専用(自己消火性なし)。PF管は露出にも使える。
- カップリングは材質で区別: 金属+止めねじ=ねじなし電線管用、樹脂=PF管・VE管用。
- コンビネーションカップリングは異なる種類の管の接続用。
- アウトレットボックス=打ち抜き穴つきの接続用ボックス、プルボックス=多数の管が集まる大きな箱。
- ライティングダクトは内側に導体があり、任意の位置で照明に給電できる。
🎯 試験に出るパターン
実際の過去問はこういう形で出ます。タップで答えを確認:
Q. 写真の平形ケーブルの表面に「EM 600V EEF/F」と記されている。このケーブルの名称は?
A. 600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形(EM-EEF、エコケーブル)。見た目はVVFそっくりですが、表面の「EM」表示が決め手です。
Q. 写真に示すオレンジ色の波付き(蛇腹)の合成樹脂管が使用される工事は?
A. CD管なのでコンクリート埋設工事。自己消火性がないため、露出配管や木造の隠ぺい配線には使えません。「オレンジ=コンクリート専用」と即答しましょう。
Q. 多数の金属管が集合する場所で、通線を容易にするために用いられるものは?
A. プルボックス。大きな金属の箱で、穴は現場であけます(打ち抜き穴があらかじめ多数あるのはアウトレットボックス、と区別)。