STEP 1 ・ 約12分
リングスリーブと差込形コネクタの選定
覚えること3つ — ①1.6mm 2本だけは小スリーブ・○刻印 ②断面積換算(1.6=2、2.0=3.5)で合計8以下=小・8超14以下=中 ③差込形コネクタは接続する本数と同じ口数を選ぶ
リングスリーブと差込形コネクタの選定
天井裏のジョイントボックスの中では、何本もの電線が銅線どうしで接続されています。 ねじってテープを巻くだけでは緩んで発熱し火災のもとになるため、専用の接続器具を使うことが決められています。
そのジョイントボックス内の電線接続に使うのがリングスリーブと差込形コネクタです。 学科試験では「リングスリーブの種類と最少個数の組合せ」が配線図問題でほぼ毎回出題され、技能試験では選定ミスが欠陥(不合格)に直結します。
リングスリーブとは — 圧着でつなぐ金属の筒
リングスリーブは、電線の心線(銅線)をまとめて差し込み、リングスリーブ用圧着工具(柄が黄色)で押しつぶして接続する小さな金属の筒です。 サイズは小・中・大の3種類。圧着すると工具のダイスに応じた刻印(こくいん:○・小・中・大の押し跡)がスリーブに残ります。
ポイントは、同じ「小スリーブ」でも刻印が○になる場合と小になる場合があること。ここが試験の狙いどころです。
刻印の決まり — この表を丸ごと覚える
| 接続する電線の組合せ | スリーブ | 刻印 |
|---|---|---|
| 1.6mm 2本 | 小 | ○ |
| 1.6mm 3本 または 4本 | 小 | 小 |
| 2.0mm 1本 + 1.6mm 1本 または 2本 | 小 | 小 |
| 2.0mm 2本 | 小 | 小 |
| 1.6mm 5本 または 6本 | 中 | 中 |
| 2.0mm 1本 + 1.6mm 3本〜5本 | 中 | 中 |
| 2.0mm 2本 + 1.6mm 1本〜3本 | 中 | 中 |
| 2.0mm 3本 | 中 | 中 |
覚える量を減らすコツは断面積換算です。1.6mmは断面積2mm²、2.0mmは3.5mm²として合計し、合計8mm²以下なら小スリーブ、8mm²を超え14mm²以下なら中スリーブ。 ただし「1.6mm 2本」だけは特別で、小スリーブに○刻印になります。
差込形コネクタ — 差し込むだけの接続器具
差込形コネクタは、被覆をむいた心線を穴に差し込むだけで接続できる樹脂製の器具です。圧着工具は不要。 穴の数によって2本用・3本用・4本用(ほかに5本用・8本用など)があり、接続する電線の本数に合ったものを選びます。
技能試験での注意点は次のとおりです。
- 心線の被覆をむく長さは、コネクタ側面のストリップゲージ(むき長さの目盛り)に合わせるのが正解。「約12mm」はあくまで目安で、数値の暗記よりゲージに合わせる習慣が大切。
- 差し込んだら心線が外から見えないこと、軽く引いて抜けないことを確認。むき過ぎ・差し込み不足は欠陥になる。
- リングスリーブと違い、刻印という概念はない。本数に合うコネクタを選ぶだけ。
解き方の流れ — 複線図とセットで出る
学科の定番問題「このボックス内の接続に必要なリングスリーブの種類と最少個数は?」は、次の流れで解きます。
- その部分の複線図を描く(前単元の①②③の手順)。
- ボックス内の接続点(黒丸)ごとに、集まる電線の太さと本数を書き出す。
- 刻印表に当てはめて、スリーブのサイズと個数を数える。
前単元の基本回路なら接続点は3か所、すべて1.6mm 2本の接続なので「小スリーブ(○刻印)が3個」が答えになります。
電線接続の3条件 — 接続の大前提(ほぼ毎回出題)
リングスリーブでも差込形コネクタでも、電線を接続するときに守るべき条件が法令(電気設備の技術基準の解釈)で定められています。 学科試験では「電線の接続方法として不適切なものはどれか」という形でほぼ毎回出題される超定番テーマです。
- 電気抵抗を増加させないこと(接続部で抵抗が増えると発熱の原因になる)
- 引張強さを20%以上減少させないこと(=元の強さの80%以上を保つ)
- 接続部分は、絶縁電線の絶縁物と同等以上の絶縁効力のあるもので十分に被覆すること
このほか「接続部分には接続管その他の器具を使用するか、ろう付けすること」も定められています。 リングスリーブや差込形コネクタは、この「接続管その他の器具」にあたります。
頻出ポイントまとめ
- リングスリーブは小・中・大の3サイズ。圧着には柄が黄色の専用工具を使う。
- 1.6mm 2本の接続だけは「小スリーブ・○刻印」。最重要。
- 小スリーブの上限は断面積合計8mm²(1.6mm=2mm²、2.0mm=3.5mm²で換算)。超えたら中。
- 2.0mm 2本は小(小刻印)、2.0mm 2本+1.6mm 1本になると中。境目が狙われる。
- 差込形コネクタは2本用・3本用・4本用などを本数で選ぶ。被覆むきはコネクタ側面のストリップゲージに合わせる(約12mmは目安)。
- 選定問題は「複線図を描く → 接続点ごとに本数を数える → 表に当てはめる」の3ステップ。
- 電線接続の3条件: ①電気抵抗を増加させない ②引張強さを20%以上減少させない ③絶縁は同等以上に被覆。
🎯 試験に出るパターン
実際の過去問はこういう形で出ます。タップで答えを確認:
Q. ⑰で示すボックス内の接続をリングスリーブで圧着接続した場合の種類、個数及び刻印の組合せは(電線はすべてVVF1.6)。
A. 複線図を描いて接続点ごとの本数を数え、表に当てはめます。1.6mm 2本=小スリーブ・○刻印、3〜4本=小スリーブ・小刻印。「○か小か」の刻印が選択肢の分かれ目です。
Q. ⑱で示すボックス内の接続をすべて差込形コネクタとする場合、種類と最少個数の組合せは。
A. 接続点ごとの電線本数と同じ口数のコネクタを選ぶだけ。たとえば2本接続1か所+3本接続2か所なら「2本用1個+3本用2個」。刻印の概念はありません。
Q. 電線の接続で「引張強さが25%減少した」は適切か。
A. 不適切。減少は20%まで(元の強さの80%以上を残す)と決められています。「抵抗を増やさない・絶縁は同等以上」の3条件とセットで、数字の言い換えがひっかけの定番です。